園山征夫のビジネスコラム 園山征夫のビジネスコラム 園山征夫のビジネスコラム

ベストプラクティス

望ましいロイヤルティー・マネジメントをする部門を新設してみませんか?

Posted on 2012-08-09

 皆さまの企業に、過去のアカが貯まっているとしたら、今こそ新しい企業像を新機軸として打ち出していく必要があると感じていませんか?社長の経営哲学にもとづき確実にスピードをもってその考えを実践に移していける部門を新設しては如何でしょうか?

新機軸の打ち出し

 顧客のロイヤルティーをマネジメントすることを薦めたいので、一例として「○×CRMサービス部門」とでも仮称してみましょう。私はこの分野を専門に経営していました。その中で気づきました。

 部門の社員が自立的に『わくわく元気』に仕事をしていく社風がまず大前提になります。この時はじめて顧客との良好な関係性(リレーション)を継続的に保て、顧客のロイヤルテイー化を進める土壌ができるからです。このような部門は顧客の願望・要望をキチツとキャッチして顧客が望むサービス・デザインを具体的に実現していかなければなりません。多様な要望に応える「仕組み」が必要となります。

 しかも、顧客が「訪問してみたい」と思う千客万来賑わう「場」をつくり多様な情報が集まりやすくします。結果として、その部門自体がマーケッテイング機能を組み込んだものとなるのです。

 社長が考える新機軸として、CRM関連の新しい部門を新設するにあたり、2、3留意すべきことを念押しします。

経営理念の明文化

 第一に、その部門として会社全体の経営理念と相反しない範囲で部門の理念に相当するものを明文化することです。部門の運営理念には、部門の将来の絵姿が部員全員に分かりやすく伝わる力を持った簡潔明瞭な形で欲しいです。

企業風土をコアコンピタンスに

 第二に、これから部門の責任者がつくっていくコアコンピタンスは、彼の志と裏腹の関係にあるものですが、頭でっかちに考えず、ユーザーのニーズから出発したほうが得策です。コアコンピタンスは分解すると何かの強さにいきつくものではありません。

 前法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授の嶋口先生は、これを『ビューテイフルカンパニー—市場発の経営戦略』の中で、玉ねぎのごとくという表現をされています。「皮をむいても、むいても何か核がでてくるものでなく、玉ねぎが丸ごとあるのです」と。

 私流に言えば、企業(部門)風土などがこれに相当します。

 財産価値として数字では表しにくい企業(部門)風土ですが、これこそがコアコンピタンスになるものと信じています。顧客が千客万来訪問し、全員がクオリティーの向上に責任を持つ風土、顧客からの信頼をベースとして、顧客がサービスから常に一定の成果を期待できる安心感のある風土が欲しいです。

 暫くは、小部隊で思い描くことと現実の部門風土とのかい離の大きさを甘受しながら、それでも志を貫いて頂きたいと思います。新設なるが故の悲哀を味わうこともあるかもしれません。

仕組みのユニーク性の主張

 第三に、顧客のロイヤルティー・マネジメントのため、部門の仕組みにユニークさを持たなければなりません。

 他社のベストプラクティスを勉強してください。はじめは、顧客固定化のため点の競争になるかもしれませんが、組織能力をベースとした競争にビジネスモデル自体に仕立て上げることが、私の経験でも近道です。このために社内外の知恵を結集することです。

 新設部門がこのビジネスモデルを突破口としてつくるにはユニークであることが欠かせない条件となります。

 どうしても既存の部門を真似したくなります。是非、ゼロベースで考えてください。既存の部門のモデルを打ち破り、マーケテイングの新しい流れをキャッチして未来をゼロベースで切り拓く執念が部門責任者に必要とされます。入り口の顧客が出口でフローの利益をもたらし、同時に、この「仕組」のノウハウや風土がストックとなるように組み立てることです。