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ベテラン女性、消費行動、生活の質、健康

ベテラン女性の購買威力

Posted on 2014-12-11

 日本のGDPの約60%は消費需要です。日本の経済は主として我々の日常の消費で支えられています。為替レートが大きく影響を及ぶす貿易からの需要は10%台です。この比率は他の国に比して低い方で、この比率のみから考えれば、日本は決して貿易立国ではありません。立国の源泉は消費需要です。

 

消費を支えるベテラン層

 ところが、皆さんご存知の通り、消費に直結する日本の総人口は事実として急激に減少します。その減少傾向の中で、これから数十年間は今年古希を迎えた私や私の家内のような70才以上の人口が大幅に増加する人口構造を示します。人口比率のみを取ってみても、70才以上の人々が将来の日本の景気を支える主要な潜在層になりつつあると言っても過言ではありません。

 この人口構造に占める比率の増加に加えて、この層には消費を嵩上げする特徴的な消費行動が見られます。

 

高価で良いものを選考するベテラン女性層

 世帯主が70才代の年齢の世帯の消費生活は、他の世帯のそれより豊かなことです。 さらに、日常の消費の主導権を女性が握っている割合が高いことです。

 この特徴を考えれば、人口構造だけからでなく、消費行動からしても今後70代以上の人々、特にベテランの女性が、日本経済の消費活動の中心になることが予想されると言っても過言ではありません。男性の消費選択はほとんど却下で選択権は女性優位です。

 彼女らの特徴は、私の家内を見ていると良く分かります。家内がこの世代の代表選手か否かは分かりません。しかし、彼女の友人の消費行動を聞くと、驚くことに家内とほとんど同じパターンを示していることが分かります。

 特に、食については海外の安価なものは買いません。食の安全などを考え、高価なもので国産ものしか買いません。上質な食生活を楽しんでいると言えば良いのでしょうか。肉やハムなどもアジアの安全そうな国の名前を冠したものでなく、国産の高いものを買う傾向があります。

 料理して食べる時に使用する器などには、デザインなどを主体として楽しみながら心の満足感を高めるものを購入・使用しています。デザイン料を含んだ高価なものを購入する形となります。日常の生活用品でも機能でなく安全やデザインなどを主体とした物を購入しているのです。

 どんな年齢になっても外見の装いは男性の比ではありません。おしゃれを忘れないので、高価な服や服飾品などを購入しています。

 また、旅行や観劇などでも極めて行動範囲が広く、グループを作り楽しく出かけていきます。

 

健康なベテラン層

 周囲の70代の大半の人々は、いろいろなところが痛いと言いながらも日常生活を送るのに支障がない健康状態の人です。私の家内もこの一人です。この年代の大半に人々は健康なので、宅配のサービスなど必要としません。

 それよりも、自ら動いて友人とのコミュニケーションを楽しめる場所に出かけることを望んでいるように思えます。歌や踊りを友人グループで楽しみ、そこから仕入れた情報を自分や家族の生活に生かす知恵を持ち合わせているベテラン層です。

 これらのことを考えると、今後ベテラン層、特に、ベテラン女性層の消費行動を研究していくことが、関連するビジネスのヒントになるのではないでしょうか。