「農耕型企業風土」づくり / 折々の言葉
人間集団をまとめる経営層のジレンマ
直木賞受賞作(145回)、『下町ロケット』(池井戸潤著)を2011年秋に読んで思うことがありました。主人公の佃航平の発言などから、著者が今の時代にどんな思いを抱いているのかが鮮明に浮かび上がります。
集団を引っ張る経営者が、自己の「夢のある目標」を追い求めていくが、なかなか社員の共感をえられないジレンマ、大企業と中小零細企業間の格差の現実の中で大企業の下請け的立場に甘んじたくない経営者としての気骨と当面の飯のタネを求める社員の思いとの板挟み、入社した会社の大きさと自分の実力を勘違いして横柄にふるまう恥ずかしい大企業の社員の姿、組織という厚い壁のある中でも、不道理に屈せず社会正義を追い求める社員の姿、いろいろな状況で見せる社員の顔の裏と表などなど。私も経営者としてこれらと同様な状況に直面し、克服してきました。
私もこれまで約20年間、経営者として稀有な体験をしました。
倒産直前の社員間の不信、裁判、上場、親株主の変更、株式の第三者割当に関わる訴訟、株式非公開化、社長解任劇などなどです。この経験を踏まえてネットスクール出版より二冊の本を著わしました。『これからの課長の仕事』と『これからの社長の仕事』です。
その中で私が気づいた経営の在り方と「農耕型企業風土」づくりで中・長期的に会社を成長させるため「いろいろな施策で社員を幸せにすると、本人(社員)の心理と脳の特定の働きかけにより、社員のモチベーション、創造性、革新性が高まってイノベーションをもたらし、本人と会社を成長に導く」フォーミュラ(公式)や「18の定石」を述べました。
この本の内容や本で言いきれなかった体験を、園山征夫のビジネスコラムでは、出来る限りリアルで具体的に、「問いかけ」の形を用いることによりテーマを簡潔明瞭に表現することに努めます。Facebook上で展開しております「わくわく元気会」の部会活動に加えて、これから活躍し社会にいろいろな意味で貢献されるビジネスマンを対象に、「折々の言葉」としてこのコラムで情報発信していきます。
皆さまが、いろいろな意味で「わくわく元気」になれることを祈ります。
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