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折々の言葉 / 語り継ぐ経営

ビジネス上、どうやって一番になるか、近づくか?(2)

Posted on 2014-07-10

前回の続きです。

 

6.目に見えないものを売る

 目に見えないものを売ることを心がけてください。

 前回、差異化を何にするかに十分な思考が必要だと述べましたが、できれば、目に見えないものを一番の差異化として打ち出すのも効果的です。例えて言えば、夏の時期にクーラーという商品を売るのでなく、適切な涼しさと快適さを含めた全体を売ることです。目に見えないから簡単に真似ができないものを売ることです。

 私は、経営者の立場でしたから、目に見えない差異化を、最終的には、クオリティー重視の独特な企業文化、企業風土に置きました。この部分の詳細は『これからの課長の仕事』(ネットスクール出版)に譲りますが、企業の扱う商品によって多少の違いがあるとしても、目に見えないものを売る勇気を持ってほしいです。

 競争にさらされるリスクも少ない。競合が簡単に真似できない。結果として、長期に価格の優位性も維持できることにつながるからです。

 

7.付き合い方

 良いお客様と付き合ってください。

 自分の会社の言うことをすんなり聞いてくれるから、良いお客様ではありません。全うで、理不尽でない意見を述べられるお客様のことです。そのような顧客には教えを乞うことができます。このようなお客様こそ、自分や自社を鍛えてくれる顧客です。

 逆に、そうでないお客様の悪い動きに巻き込まれないことです。その場では、助かった、儲かったつもりでも、必ずしっぺ返しが来ます。

 しかもそのようなお客様は、「類は友を呼ぶ」のたとえの通り、あなたの事業に悪い運をもたらす元凶となるかもしれません。

 

8.限られた選択肢を与える

 顧客に選択肢を与え過ぎないことです。

 顧客の選択に関して、自転車の販売での実験例がどこかに載っていました。店頭に自転車を数台限定して陳列する場合のほうが、沢山置く場合より販売台数が勝った例でした。

 沢山陳列すると選択肢を与え過ぎて、結局、顧客が決断できなくなるからです。かえって不親切になりかねないからです。この数台の自転車が、「私どものおすすめ品です」という、会社としてのプライドを示すことにもつながり、結果として販売に貢献した部分もあるかもしれません。

 煉りに煉って最良のものを限定的に提供して、お客様に選んでもらってください。まかり間違っても、会社として開発した全商品の陳列台にしないことです。

 

9.計画の立案

 事業の計画は必ず立案してください。

 どんな粗末なものでも結構です。ただし、数字と内容が伴っているものです。部下がいます。関係する取引先がいます。勿論、銀行もいますので、彼らのためにも必要でしょう。

 しかし、本質は、自身の経営の軸のブレを回避するためです。言い訳がましいことばかり言う経営者に時々会います。このような経営者は、大概事業の計画を立案していないか、計画などどこかに置き忘れてしまっていることが多いです。勿論、社員にも開示していない。したがって、誰からのチェックもなく、流れに任せて経営しているようなものです。

 上手くいかなかった時には、事業の計画の無いことが致命的となります。比較すべきものがない。修正のよりどころが無い。戻る場所が未定だからです。勿論、極端な修羅場における場合は、計画の枠を超えたことが発生しますが、普段のビジネス行動では稀ですので、とにかく、計画を作り、これを修正するクセをつけてください。

 

10.狙うマーケットと捨てること

 新しい分野を切り開く、新機軸を打ち立てるくらいの気概を持って、狙いを定めて事業を展開してください。

 儲かりそうなマーケットが沢山ありそうに見えても、当然全部は狙えません。はなから捨てるマーケットを最初に決めてください。

 資源を集中して、追い求める分野にのみ注力することが肝要です。これくらいある一定のドメインに注力しない限り、成功の道は遠ざかるものと心得てください。

 

11.資金は後からつく

 資金は後からつくものと考えてください。

 1年位は走れる資金は、当初必要でしょう。しかし今の時代、事業が魅力的で、経営者がしっかりした考えと実行力を持っている限り、会社の発展に合わせて資金を提供してくれるチャンネルはいろいろあります。逆に、資金の提供側は、それくらい魅力的な事業を考えられる経営者か否かを、観察していると言っても過言ではないかと思います。

 会社もある程度軌道に乗れば、追加の資金の提供の申し出もくる時代になりました。資金の性格にもいろいろあります。経営者が提供者の資金の性格をしっかり吟味しなければならないのは言うまでもありませんが、真剣に経営すれば、資金は後から付いてきますので、この優先順位を間違えないでください。

 

12.信念を持って働きまくる

 成功するという信念を持って、働きまくってください。

 起業した時、会社の中で新規の事業部門を任された時などは、四の五の言わずに、とにかく、働きまくる、夢中になることです。

 こうして初めて部下や周りもついてきます。あなたの仕事の姿勢に感動する顧客も出てきます。頭でどんなに良いことだと思っても、そのことを実際に実績で示さなければなりません。そのために、出会いを大切に感謝する気持ちを持ち、デモンストレーションやトライアル会等、なんでも良いのですが、寸暇をおしまず顧客接点を持つという、トップ自らの率先した行動で、働きまくってください。

 

以上、皆様の経営の参考になれば幸いです。

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