園山征夫のビジネスコラム 園山征夫のビジネスコラム 園山征夫のビジネスコラム

チームワーク

何のためにチームワークを築いていますか? Why、 What、Howの視点

Posted on 2012-08-30

 「チームワーク」というと、その言葉がなんとなく良い響きを持って耳に入ります。われわれがそれほどチームワークを切望している、ということかもしれません。

 チームワークは、やり遂げる目標と人間関係を基本としていますが、チームワークを別の視点でみていくと、その本質が浮き彫りになってきます。すなわち、Why(何故)、What(何を)、How(どのように)という視点で見ることです。

Why

 一番重要なところは、Why(何故)です。なぜ、チームワークが重要かです。

 私が主張する「農耕型企業風土」づくりの観点からすると、「仕事の連鎖」の結果、付加価値をつけるため、他の人との「対話」を通じて「知恵を結集」するためです。この繋がりの部分を、私は「結節点」と称していますが、結節点でのエネルギーロスを最小限に食い止め、むしろエネルギーアップする必要があります。ほとんどの人は、沢山の仕事の繋がりの一部を担当しながら最終成果物をつくることに貢献しているはずです。次の人に付加価値を付けて仕事を受け渡すためには、関係する人々の「集団の知恵」を結集していくことが大切です。

 対話を通じた「知恵の結集」行為に加えて、これまで知らなかった相手の強い点、優れた点をみつけることもあります。

What、How

 特定のプロジェクトを推進する場合は、プロジェクト目標(What)が一般的に明確です。ところが部門で日常行われる仕事は、一定期間の目標、目的(What)が意外に明確でないが故にマンネリになり易いのです。

 上司からの指示目標に基づき、これをその部門のメンバーが噛み砕いて、いつまでに何を(What)、どうやって(How)解決するかを明確にすると、マンネリ防止に役立ちます。日常の仕事がルーチン化するリスクが少なくなるのです。チーム内で、月次、四半期ごとの何を(What)、どうする(How)が明示的に合意されていることで、メンバーからの知恵の出てき方が違うはずです。業種によって多少異なるところがあるかも知れませんが、私は顧客を更にファン化するために、社内の知恵と顧客の意見をどう上手く組み合わせていくかという視点でWhatとHowを明確にすることが最も重要だと思います。

私の例

 例えば、「最初に、適切に仕事をする」こと(この言葉の意味の詳細は「これからの課長の仕事」に譲ります)をチームで徹底して議論させることで、チームワークのWhy、What、 Howの視点がどう関係するかが浮き彫りになります。

 なぜ(Why)「最初に、適切に仕事をしなければならないか」を議論すると、集団の知恵を出し、次の人や部門に付加価値を付けて仕事を受け渡ししないと、仕事を受け取る側からの感謝が少ないことに気づきます。

 また、何(What)を「最初に、適切に仕事をする」のかを議論していくと、チームとしての共通の目標が明確になり、メンバーの意欲的な仕事への取り組みに繋がります。

 さらにどうやって(How)「最初に、適切に仕事をする」のかの議論を通じて、顧客の声をどう反映し、社内の知恵と顧客の声の組み合わせを意識して仕事をすることにつながって行きます。