園山征夫のビジネスコラム 園山征夫のビジネスコラム 園山征夫のビジネスコラム

自己革新

自分を革新する努力をしていますか?(2)

Posted on 2013-04-11

 続きです。私が過去の経営を振り返って見ると、次のようなことに留意していました。

「考え抜く」

3.方向を決めたら徹底的に、その実現のために自分が埋まってしまうくらい真剣に考え抜く努力をしました。

 もともと、方向もかなり高い目標でしたから、尋常な方法では実現しません。従って、「考え抜く」ように変えていきました。

 社内の議論で、「一般的に…です」「世間では…しています」的教訓めいた発言があったら、「それは何故?」と聞き返して方向の実現にその手段が適切かを真剣に考える習慣を身につけました。

 とにかく、寝ても覚めてもそのことを考えて、手帳にメモしていくと随分と遠回りをして考えていた事が後でわかりますが、それも前回で述べた寄り道の一つです。

「好き嫌い」

4.最後は、「好き嫌い」で判断をすることにしていました。

 五感を駆使してマーケットを読む努力をしましたが、最後の最後の判断は、自分が好きか否かで結論を出していました。好きでないと自分を変えるエネルギーが失せてしまう感じがしたからです。

「プラス思考」

5・それでもくじけそうになることがあります。このような時、私はこうしてマイナス思考からの脱却し「プラス思考」に切り替える努力をしていました。

 過去の失敗をくよくよしないにはどうしたら良いでしょうと、時々相談を受けます。ご参考になればと思います。 

a)    くじけそうになる最大の原因は、「なぜ、自分がこんなしんどい仕事を引き受けなければならないか???」の思いです。

 自分自身に対する愚痴や不平が出るときですが、出会うべくして出会った運命と考え、見方を変える思考パターンに入る努力をしていました。この時に、必ず「社員の幸せ」ということが根底で自分の心を引っ張って奮い立たせていたと思います。

 社長という立場の自分を客観視することにも通じることです。自分の部下だったらこの事態と社長の姿勢をどう見るのだろうかという客観視です。

 イチローが、2009年の世界野球大会の決勝戦の延長10回、同点ツーアウト、1、3塁で彼に打順が回ってきたとき、自己を客観視して冷静に一人実況中継をし、感情が入りすぎて視野が狭くなることを防止した、という話を聞いたことがあります。

 レベルの違いはありますが、分かる感じがします。

 「今」に集中して客観的に観ることです。どうしても愚痴や不平から未来の不安を膨らませることにつながります。今を生きることに集中するのも方法かもしれません。人生80年で29,200日、700,800時間しかありません。今のこの1日、1時間をどう楽しく過ごすかです。

b)「できないこと」と「できること」に峻別して「できること」に集中する努力をしました。

 完璧主義をやめる努力です。社長という立場でしたからどうしても、「できないはずはない」として頑張るクセがあるのですが、その考えを緩和する自由度を持つことにしていました。

 悩ましい心理状態のときには誰でも自分自身に対する評価が一般的に低くなっています。プラスの側面も見て自分の成長した姿を勝手にイメージし、「乗り越えられる試練しか神は与えない(マタイ福音伝)」と試練を成り行きに任せたこともありました。また、少し、余裕ができて他の部下の評価も長所も短所もふくめて多面的にとらえられるようになってくるはずです。

 「5年以内に上場」の公約を実現するために描いた「こうあるべき」リストをしばらくの期間封印して、少しわき道を行く自由度を持つようにしました。

c)     最後の手段として、「6つの約束」の自分のメモに戻ることにして「プラス思考」に戻していました。

 社員に約束したこの紙面の文字から「できる!!」との声掛けをもらって、また、元気を取り戻せたとことを思い出します。

 

自分を革新する努力をしていますか?(1)

Posted on 2013-04-04

 多分いろいろな方法があると思います。私が過去の経営を振り返って見ると、次のようなことに留意していました。

「尋常ならざる目標」

1.自分にしかできないと確信して、今ある状態より想定を超える目標を置いたことです。

 会社の倒産危機に直面している中で、社員やその背後の家族の生活の安定を図るために「尋常ならざる目標」を掲げて、自己革新を図りながら同時に会社を変えるため想像を超える目標を掲げて邁進したことです。

 会社が多額の累積損失を抱えて倒産の危機にあるとき、「5年以内に上場」などの公約をしました。なんとかこれを1年遅れで実現したのが実例です。

「バカになる」

2.自分は「変わる」という熱い決意をもって、「バカになる」努力をしたことです。

 よく、「エリートがエリートらしく振る舞うのは簡単。バカがバカらしく振る舞うのも簡単。一番難しいのが、エリートがバカになること」と社員に言っていましたが、一面自分を「変える」ための言葉でもありました。

 社会の既存ルールに乗せられた自分が、危機に直面したとき一体どのような価値があるのか疑問に感じ始めました。会社が倒産する、社員が去る、残った社員が必死で会社を支える、家族の生活が厳しくなるようなときには、エリートらしく振舞うことの邪魔が多いのです。

 むしろ、会社の将来像を物の本からでなく自分の頭で徹底的に考え、社員と議論してそれを修正してよりレベルの高いものに作り上げて行くには、捨てることも思いつきました。

 真っ直ぐな道でなく、自分が信じている道に少し寄り道をしながら社員と一緒に新天地を求め続けることに決めたのです。

 自分の道をジグザグに走ることに決めました。不運は誰の人生にも不規則に存在します。自分の歩む道を不運と感じたら潔く思考回路を変更していくことにしました。