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モラール / 折々の言葉

あなたはどういう時に感激しましたか?

Posted on 2012-05-17

 人は、それぞれいろいろな状況や場面で感動することがあります。

尾崎豊氏の葬儀の列

 「この雨の中、なぜこんな沢山の人々が道に並んでいるのだろう?」と正直不思議でした。

 20年前、1992年のことです。ひどい雨の降る日で、私はタクシーで池袋駅近くにあったオフィスに向かっているところでした。首都高速道路を降りて護国寺のあたりに差し掛かると長い人の列に遭遇しました。いったい何事だろうと思い聞いてみると、護国寺でシンガーソングライター尾崎豊の葬儀が営まれている、ということでした。激しく降りしきる雨の中、弔問に訪れる人々の列は池袋の駅までも続いていました。

 この時、私は尾崎豊というアーティストについてあまり知識がありませんでしたので、なぜこんなに多くの人が?と浅はかにもそう思いました。しかし雨の中延々と続く弔問の列を目の当たりにし、これ程までファンに慕われるアーティストはどんな人かと、興味を持ち、オフィスに戻ると、当時私が経営責任を負っていた会社の社員の高橋勝君に聞いてみました。

 また後日、高橋君からアルバムのCDをいただき、尾崎豊というアーティストの曲に触れ、心を揺さぶられるような思いがしました。「世の中にこの様な人がいたのだ」と強く感動した瞬間です。時代背景が変わった今も、彼の生み出した作品には、多くの人を引きつける「何か」があるのではないでしょうか?

根本要氏の「木蓮の涙」

 それから随分時間が経過した2012年の春、あるシンガーソングライターの曲に偶然出会い心を打たれました。東名高速道路を走って伊豆に向かう途中、たまたまひねったNHKのラジオから聞こえてきた曲です。雨で延期になった高校野球の準々決勝の代わりに再放送されていた番組の中の一曲でした。

 「逢いたくて逢いたくてこの胸のささやきがあなたを探している あなたを呼んでいる いつまでもいつまでも側にいると言っていたあなたは・・・」というこの曲は、スターダストレビューのボーカルでギターリストの根本要氏の「木蘭の涙」(木蘭は木蓮の漢語表記)です。

 なんとも、胸に刺さる曲でした。恋人との関係を歌ったものでしょうが、私には東日本大震災で被害にあった方々の思いのたけを心の底から歌ったようにも聞こえました。「亡くなったお母さんに会いたい、恋人に会いたい、でもかなわないこの現実・・・」。何とも心に響き、聞きながら東日本大震災の被災された方々や関係者皆さんに思いをはせ、祈るような気持ちになりました。

仕事の場面でのある感動

 歌とは全く次元が異なりますが、仕事の中でも社員が感動する場面があるものです。

 仕事柄、一般のビジネスマンが休暇中にも仕事をしなければならない社員がいます。一般の人が嫌がる時節、正月やお盆の休暇中にも仕事をしなければなりません。

 私はこの期間に仕事をしてもらっている人に感謝するため、全国に沢山あるコールセンターで正月やお盆の休暇中に仕事をしてくれいている社員に、お茶やジュースのボトルやお菓子などを差し入れることにしていました。

 当時の秘書の野沢さんや富浦さんなどが、社内のメンバーを動員して配送指示をし、これを実現してくれました。私としては現場最優先、しかも、社員とアルバイト社員の区別は仕事上一切なし、現場で頑張っている人に感謝する気持ちを簡単な差し入れで表現しただけのことです。

 このことに「現場のアルバイト社員がとても喜んでいます。人が嫌がる期間に仕事をしてくれる人への感謝の気持ちを表すためのこの差し入れの配慮が会社の仕組みとなっていることに、現場がいたく感動していました。」と現場のマネージャーがいっていたことを、先般そのコールセンターの総責任者だった美馬君が、嬉しく誇らしい顔で先般私に語ってくれました。

 この様な些細なことで社員が感動し社員との心が通いあっていたことを再認識させられ、私も大変嬉しい気持ちになったものです。

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