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折々の言葉 / 語り継ぐ経営

第272回 短期的既存顧客作戦とマインドセット

Posted on 2018-02-15

 成長軌道に乗せる近道には、新規顧客の獲得が不可欠です。

 しかし、同時に短期的には既存クライアントの活用、活性化策も重要です。今回は、ここに絞った論を展開します。

 

特別扱い

 既存のクライアントが、自社が特別視されているという認識を植える工夫が必要となります。

 そこで既存のクライアントとのビジネスを拡大する方法は;

・一番維持したい顧客に特別なことをする。

 残念なことに、意外にこれが出来ていない会社が多いことに気づきます。この会社は自社の社員の給料の源泉がどこからきているかに鈍感になりすぎているからです。

 この特別な顧客のためだけにセミナーを開催し、この会社への自社のサービス展開について特別説明をおこなう機会を設けるなどの方法もあります。

・最近取引がなく、足の遠のいた顧客を呼び戻す。

 過去の顧客には、二度と購入しないと決めた人ばかりではありません。過去にトラブルで足が遠のいた顧客にも、撚りを戻す何かのきっかけが必要です。既に利用していたわけですから、自社のサービスに対する需要は必ずある、競合他者を利用している可能性が高い。

 試しに最近開発したプログラム上で再度利用してもらうなど、過去の接点を呼び戻す方法は沢山あります。掘り起し作戦です。

・顧客が購入するたびに、付加価値の高い他のアイテムやサービスも提案する。

 何かの購入者に付属品を付けるなど喜ばれる場合も、もちろんあります。

 しかし、これがワンパターンになると、嫌われる。あの会社はいつも何かの餌で釣ろうとしているという、意図とは逆の印象を与えてしまうので、タイミングややり方には十分留意が必要です。

 

Unique Selling Proposition(UPS)

 競合との差異化、市場で自社のサービス・商品に引き付ける魅力を営業的にUnique selling proposition(UPS)と呼んでいます。もともと戦略的に発想するにあたり重要な言葉ですが、短期的作戦でも最も重要な一つです。会社の成長のドライバーと深く関係してきます。

 仮に、営業上「クオリティー」で勝負すると決めた場合、この言葉だけでは顧客を引き付ける誘因にはなりにくいです。もっと、顧客に響くフレーズや言葉が必要です。

 一例ですが、「当社が独自開発したプログラムに乗れば、必要な時に必要な人材を90%集める自信があります。」など、「クオリティー」を表現するにあたり、顧客への具体的な価値を表す言葉が良いでしょう。こうやれば、顧客は「ピーン」ときます。

 実は、このUPSをどれだけ沢山ノウハウとして構築できるかが、短期を超えた中期の勝負に大きく影響します。

 

経営陣のマインドセット

 短期的作戦展開には、社長や経営陣のマインドセットが重要です。

 短期的に上手くいかない時には、マインドが自社のため、自分のためと一般的に視野が狭く利己的になりやすい。これが、実は短期的顧客開拓に逆効果をもたらしていることに気づくべきです。

 社長は自社の利益のみでなく、顧客のために自社の資源を最大限活用する発想が必要です。特に、B-to-Bではこの発想が肝要です。この時に、はじめて独創的な発想が浮かぶはずです。マインドの内面が利他の豊かな心をもてば、ざるで水をすくう如く、他の人に与えるそれ以上のものが得られることになります。

 このためには、「顧客にサービス・商品を売る」視点から「クライアントの役に立つ」視点に発想を転換することです。自社の資源を惜しみなく使い、クライアントの課題を解決して彼らの成長をサポートする。ソリューションという単なる言葉を超えて、本気で彼らの課題解決に近づく姿勢が必要です。「顧客第一主義」と私が表現するものです。

 派手なマーケティング手法などはいりません。課題を解決するのに自社の何が足りないかを真剣に考えることになります。また、出来ない空約束などもしない。誠実に自社の顧客に真っ先に利益をもたらす姿勢と行動こそ尊重されるべきです。

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