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人材育成 / 折々の言葉

グローバル人材へのステップ

Posted on 2014-01-23

 ビジネスマンが国際的な場でリーダーとしての力を発揮するには、まず最低限、法務、経理、語学、IT、マーケィングの知識が必要とされます。経営者として多くの判断を適正にするには当然のことです。知識の深さは別として、これらの知識が経営判断を全体として助けてくれたことは、私の経験でも疑いの余地がありません。

 しかし、これらは最低限必要。むしろ、幅広い教養や人間としての深みが、グローバル人材として要求されるのではないでしょうか。言語の違い、文化や風土の違い、民族、また、歴史の違いを明確に理解しながら現地の社員などとより良いコミュニケーションを取らない限り、ビジネスを円滑に展開することができません。

ビジネスマン自身が、自らどのようレベルアップに留意したら良いかを考えます。

 

Phase 1

学部か修士を卒業して30才くらいまでを想定しています。

 この期間は、自分で基礎的なことを習熟する期間です。従って、与えられたことをキチッと遂行して求められる結果を出すことに専念してください。

この期間は、あなたが周囲からの信用を得られる人間かどうかの一定の評価が定まるときです。従って、とにかく仕事ならなんでも真剣に向き合い、決して手抜きをしないことです。周囲から「あの人は仕事が出来る!」との評価を得られればしめたものです。

 仕事をしっかり遂行するには、各種のスキルが不可欠です。そのために、勉強の時間を取り、法律、経理、語学、IT等の基礎的なスキルの養成に、自己の資金を投資してください。以後のあなたの成長に大きく影響を及ぼすことになります。

 

Phase2

中間管理職として部下を持ち、上司の指示のもとに部門を切り盛りする時代、45才くらいまでを想定してみてください。企業の規模によって相当の差がありますが、平均的にはこの年齢かと考えます。

 所属する会社内でのキャリアと自己の人生の先行きが少し見えてきた、と思える時期です。自分の判断ミスや部下の起こしたミスなどにより沢山の失敗経験を持つことになる時期で、100人いたら90人以上の人がマネジメントに失敗と試行錯誤を繰り返しながら学んでいる時期です。特に人間関系の複雑さ、出会いの偶然、自己の適性について悩みながらも歯を食いしばって頑張る時期です。経営層の一部に参画できるかのチャンスが巡って来る時でもあります。また、スペシャリストとして生きる決断の時期でもあります。

 この時に一番重要だと思えることは、「自分らしさ」をどう見つけるかです。人間、それぞれ適正、能力、知識等の違いがあることが自然です。それらを自分で判断して、「自分らしさ」を表現するにはどうしたら良いのかを、真剣に考える時期です。

グローバルな環境で自己のキャリアをレベルアップするかの決断をするのも、この時期かもしれません。

 

Phase3

チャレンジングな時期です。40才から45才頃と想定してはいかがでしょう。

 Phase 2の期間で自分を客観的に評価し、且つ、置かれた状況下で何が選択できるかです。ビジネスマンとして会社の指示通りに動くか、他のオプションを考えるかという観点で選択をする時期です。ビジネスマンとして、人生のスト-リーをある程度決めることになります。意思表示が重要な時期です。

 会社内で中核的事業のために貢献するか、チームを率いて新規事業を立ち上げるか、不採算事業を立て直すか、海外事業展開に主体的に関与するか等の選択肢がありますが、自分が望むというよりは、会社の人事から命令されることが一般的です。

その命令に従わない選択もあります。起業です。それまでの経験や人的チャンネルをベースとして自分で事業を立ち上げるという決断もあります。日本でもこのルートに興味を持つ若者がもっと出てきてくれることを望みます。

 「あの人のためなら・・・」と本気で皆から慕われるか否か、が決め手です。このような雰囲気を持っている人なら新しい事業の立ち上げもスムーズにいくと思います。この時期は、自分の人間的魅力こそが人を引っ張る力になることが分かる時期です。

 ここでは勝手に国内と海外と職場を概念上分けて選択肢を探す道を挙げましたが、現代の世の中では現実的ではありません。何をやるにしても海外に人材の協力なくしては展開ができません。あなた自身、好むと好まざるとに拘わらず、違う言語、文化や風土、違う歴史的背景の人々と接点を持たざるをえません。40才から45才頃のこの年代だと、経営層の一部としての役割を果たす立場となるはずですので、一度自己採点してみてはいかがでしょう。

 海外で、新規に工場を立ち上げる交渉ができますか?

 海外の現地法人の社員を前に、英語で事業の方針説明をできますか?

 海外でのトラブルや優秀な現地社員からの退職の意思表示、特に、一部の国では労働争議、関係する役所からの調査、などへの対応をどうしますか?  などなど、項目は沢山考えられます。

 どれもこれも一筋縄ではいきません。しかしながら、このようなことがスムーズに出来る人材が世界中で求められているのです。このような人材こそ財産ですから、あなた自身、今のうちから世界に通用するこのような財産を持てるように意思を持ち、訓練を積むことです。

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コメント1件

 松下信武 | 2014.02.01 15:58

一つ一つのご意見に賛同しております。グローバル人材の育成の必要性は、どの企業も認めていますが、長期的な取り組みをしている企業はまだ多くないと感じています。企業トップの本気度の有無が、企業にとっての第一関門だと思います。個人の第一関門はキャリアの危機意識の有無だと思います。

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