園山征夫のビジネスコラム 園山征夫のビジネスコラム 園山征夫のビジネスコラム

グループ長

あなたは分身の育成に本気になっていますか?

Posted on 2012-09-06

 誤解しないでください。分身とはコピー的ではありますが、世に言う茶坊主的人間ではありません。DNAの良いところを踏襲し、会社を発展させる人です。

経営幹部の分身育成

 会社を成長させるには、まず会社の組織を機能別にし、その分野のスペシャリストを造っていきます。分野の専門家がいないと競争に勝てないからです。

 次にある段階ですべきことは、「あなたは、この分野の専門家として立派な仕事をしてくれました。だから、この仕事もできます」と、他の仕事もさせて本人の守備範囲を広げさせていくのです。

 この仕事の幅を広げる過程で、その人に社長の経営哲学を共有させて分身をつくり、経営哲学が早く末端まで浸透するのを助ける役割を与えます。最終的には、その人を部長として一つの事業部門を任せる人材に仕立て上げるのが目的です。

 これ程の人材に育てる幹部ですから、よほどのことがない限り「任せる」ことが肝要です。枝葉末節なことで「口出ししない」ことです。幹部人材が誇りを持って仕事を出来るように礼を尽くし、この人材層を大事にすることです。そうすれば彼に愛社精神も湧き、おのずと責任ある仕事をしてくれます。

中堅幹部の分身育成

 とは言っても、いきなり事業部長クラスの分身はできないかもしれません。大手の企業では分身の候補者が沢山いるでしょうが、一般の会社ではそう潤沢には人材がいません。こういう中で「これは」と思った人材を、一定期間で分身に造り上げる一つの方法があります。

 私は、まずグループ長レベルの育成にとりかかりました。彼らが100人の部下を纏めるのはいきなりは無理でしょうが、10人や20人の部隊は纏められます。

 自分自身、将棋で言うと「飛車」「角」の人材が早く欲しいと思うこともありました。しかし、焦ってはいけません。「歩」でも良いのです。育てれば敵陣に食い込むこともできるのです。そこで「成り金」に成長するように、私はこのレベルを地道に育てる努力をしました。

 経営を引き受けた時には会社が中小規模の段階、ましてや倒産寸前の会社でしたから、先が見える社員は既に会社を去っており、残った社員のレベル感は一般の標準より劣っていたのが現実でした。従って、とにかく中堅社員のレベルを育て、一人でも多くの分身をつくるため徹底して指導していかなければならない状況でした。

 お蔭で、グループ長から布山昌隆君、秦行宏君など沢山の分身が成長し、その中から多くの上級幹部が育っていき会社の成長に寄与してくれることになりました。