


折々の言葉
ベテラン女性の購買威力
日本のGDPの約60%は消費需要です。日本の経済は主として我々の日常の消費で支えられています。為替レートが大きく影響を及ぶす貿易からの需要は10%台です。この比率は他の国に比して低い方で、この比率のみから考えれば、日本は決して貿易立国ではありません。立国の源泉は消費需要です。
消費を支えるベテラン層
ところが、皆さんご存知の通り、消費に直結する日本の総人口は事実として急激に減少します。その減少傾向の中で、これから数十年間は今年古希を迎えた私や私の家内のような70才以上の人口が大幅に増加する人口構造を示します。人口比率のみを取ってみても、70才以上の人々が将来の日本の景気を支える主要な潜在層になりつつあると言っても過言ではありません。
この人口構造に占める比率の増加に加えて、この層には消費を嵩上げする特徴的な消費行動が見られます。
高価で良いものを選考するベテラン女性層
世帯主が70才代の年齢の世帯の消費生活は、他の世帯のそれより豊かなことです。 さらに、日常の消費の主導権を女性が握っている割合が高いことです。
この特徴を考えれば、人口構造だけからでなく、消費行動からしても今後70代以上の人々、特にベテランの女性が、日本経済の消費活動の中心になることが予想されると言っても過言ではありません。男性の消費選択はほとんど却下で選択権は女性優位です。
彼女らの特徴は、私の家内を見ていると良く分かります。家内がこの世代の代表選手か否かは分かりません。しかし、彼女の友人の消費行動を聞くと、驚くことに家内とほとんど同じパターンを示していることが分かります。
特に、食については海外の安価なものは買いません。食の安全などを考え、高価なもので国産ものしか買いません。上質な食生活を楽しんでいると言えば良いのでしょうか。肉やハムなどもアジアの安全そうな国の名前を冠したものでなく、国産の高いものを買う傾向があります。
料理して食べる時に使用する器などには、デザインなどを主体として楽しみながら心の満足感を高めるものを購入・使用しています。デザイン料を含んだ高価なものを購入する形となります。日常の生活用品でも機能でなく安全やデザインなどを主体とした物を購入しているのです。
どんな年齢になっても外見の装いは男性の比ではありません。おしゃれを忘れないので、高価な服や服飾品などを購入しています。
また、旅行や観劇などでも極めて行動範囲が広く、グループを作り楽しく出かけていきます。
健康なベテラン層
周囲の70代の大半の人々は、いろいろなところが痛いと言いながらも日常生活を送るのに支障がない健康状態の人です。私の家内もこの一人です。この年代の大半に人々は健康なので、宅配のサービスなど必要としません。
それよりも、自ら動いて友人とのコミュニケーションを楽しめる場所に出かけることを望んでいるように思えます。歌や踊りを友人グループで楽しみ、そこから仕入れた情報を自分や家族の生活に生かす知恵を持ち合わせているベテラン層です。
これらのことを考えると、今後ベテラン層、特に、ベテラン女性層の消費行動を研究していくことが、関連するビジネスのヒントになるのではないでしょうか。
幸せなビジネスマン人生をおくるための選択(2)
前回の続きです。
この頃の起業は慎重な判断
50歳頃から起業する人を見ます。大変尊敬します。
しかし、成功の確率は1%以下と思うべきでしょう。理由は、50才までサラリーマンとして会社で飼いならされた人が、いきなり大きなリスクを取れる体質をそもそも持ち合わせていない人がほとんどだからです。私の周囲でもこのような人が沢山いました。
前回述べた通り、私は40才頃に会社の経営を任されましたが、実はそれ以前から、何とか自分で会社を立ち上げ経営してみたいという考えが、常に根底にありました。従って、実質倒産状態の会社と後で分かったのですが、その会社の社長の指名を受けた時は最大のチャンスと奮い立ちました。この会社を大きく立派な会社にして社員を幸せにしようと、起業家精神でわくわくしたのを覚えています。リスクテーキングの準備が既に出来ていました。親会社からの出向扱いも自ら返上して、自分が経営を託された会社に骨を埋める覚悟を持っていました。
40歳の頃に来たからこそ、経営リスクを取れる年代でした。一般のサラリーマンと違い事業家のDNA、果敢にリスクを取れる体質も持っていたと思います。
私のこの経験を考慮すると、50才代のどの様な人に起業を勧めるかです。技術やノウハウで相当の差異化がある人ならOKです。しかし、単にサラリーマンとして飼いならされそこまで来た人では、経営のリスクテーキングの重圧に耐えられるか心配です。リスクを取って起業するなら、普通のチャレンジングな人にはもう少し若い30才代か遅くとも40才代での決断を薦めます。以後のビジネスマン人生の幸せ度が違ってくると推測します。
定年後のことを見据えた準備
50才を過ぎても、残念ながら自分にとりたてた能力が無く会社の中での見込みが薄いと考える人もいるかもしれません。
そのような人は、残念ですが自分のビジネスマン人生にみきりをつけるのも一つの考え方です。何も会社が全てではありません。昇進のみで人間の価値が決まるわけがないからです。定年後をいかにハッピーに過ごすかを考え、そのための準備に精を出すのも一つの貴重な考え方だと思います。
しかもこの準備には、すぐ取り掛かることです。「定年になったら・・・をする」という発想で我慢しても、まず上手くいかないと考えるべきです。今できないことが、将来出来るとは思えないからです。突然責任を負い会社を去ることになるかもしれません、突然病気になるなどなど、いろいろ予測不能な将来も待っています。
私の周囲でも、「定年後には・・・をする」と将来のことのために我慢して「今を過ごす」人もいますが、その通りになった人をあまり見ていません。それより、今を充実した生き方が本人にとって幸せだと考えます。
準備のためにすぐ行動に起こすのが得策と考えます。晩年の人生のバランスシートで共通の失敗は、今やりたいことを定年後に先送りすることです。旅行、遊び等なんでも良いのですが、楽しみを先送りしても、それの実現が約束されない不測の事態が起きる可能性が、年齢と共に高くなることを考えれば、そのような選択は愚の骨頂ではないでしょうか。
転職の選択
50代での転職も良いかもしれません。
しかし、環境が激変することを覚悟してください。転職を機に、住む場所が変わるかもしれません。海外勤務になる可能性もあります。友人も変わってきます。これらのことを総合してその年代での転職のメリット、デメリットを判断されることを薦めます。
貴方に本当に技術力やノウハウがあるかをしっかり見極めてください。サラリーマンとして会社の名前で商売をしていたことを、自分の実力と勘違いしている人を見るからです。このことを肝に銘じてこの選択されることをお薦めします。
幸せなビジネスマン人生を送るために、多少のヒントになったでしょうか。
幸せなビジネスマン人生をおくるための選択(1)
時代が変わってきました。これに対応してこれからのビジネスマンには、ある年令になる前に割り切りの決断が必要になると考えます。
会社に骨を埋めるか、先のことの準備をするためにその間に必要なノウハウをひたすら蓄えるかなど、自分の人生の将来についての基本的なスタンスを持ってある時期に割り切る決断をすべきとの認識です。
実力を貯える時期
20代、30代の時には先輩から教えを請いながら自分の実力を蓄えることに尽きると考えています。
勉強しかり、仕事しかり、徹底して自分の能力に磨きをかけ、ビジネスマンとしての自立の準備をすることです。この時代の努力こそが以後の人生の豊かさに大きく影響を及ぼします。中途半端なタレント(能力)では将来通用しないので、気合を入れて自己のスキルアップに努める頃です。
将来に起業する余地も残す
実力を貯えながらも、一方で起業するマインドも欲しいものです。
ベンチャーと呼ぶかアントレプレナーと呼ぶかその呼び方はどうでもよいことです。
自分の実力のみを頼りにするか、あるいは、自分の能力と他者の能力を組み合わせて何か新しいことを作り上げる起業の準備もしてもらいたいのです。能力と起業の意欲さえあれば、世の中の様々な変化や突然発生する思いもよらない出来事に対しても適切に対応できるオプションが増えるからです。
自分が一生懸命仕事をしていても、マーケットの変化やその会社が予期せぬ合理化策を実施して、あなたがリストラの対象になることがあるかもしれないことを思えば、起業も選択肢の一つとして持っておいた方がよいと考えます。勿論、経営することから発生する様々なリスクを取れる覚悟のある人にしかこれを薦めませんが。
人生の半ばでの迷い
順風満帆にビジネスマン人生を送っている人でも、50代に差し掛かると、皆、前半の半生と後半の半生の分かれ道に差し掛かった時、複雑な感じを抱くものです。当然です。一生懸命頑張ってそこまでやって来たビジネスマンに定年というものが迫ってきます。この時期に、定年までの10年間と定年以降をどう過ごすかで迷いが出る人も多くなります。
一般のビジネスマンは、この年齢になるとその会社の中での将来が見えてくるものだからです。出世の可能性があるか、そうでないかは、本人が一番よく分かっています。ただ他の人には言えないだけに、余計本人の心の中に迷いが溜まるはずです。
ピラミッド型の組織を考えれば、残念ですが大半の人は上位のポジションに出世する可能性の無いのかもしれません。このこと自体は決して人間の価値を決めるものではありませんが、その時どう自分をモチべートし自分自身がいかなる行動を起こすかで、その後の人生の豊かさが大きく変わるのではないでしょうか。
得意分野を生かし会社内で貢献
私は40才頃社長としてある会社の経営を任され、沢山の部下を持つことになりました。この部下へ給与はめったなことがない限り減額できません。むしろ、経営者は社員の給与を毎年上げて行く努力をしなければ評価されない宿命を持っています。
経営者として部下という社員を観察する機会も当然ありました。特別な才能が無い普通の社員なのに、こんなに沢山の給料をもらってよいのだろうかと、社員側に立って逆に心配することもありました。経営責任のある社長の二分の一から三分の一ほどをもらえる立場の社員も沢山います。特別すぐれた才能を持たない社員もいます。このような人に会社が沢山の給料を払ってくれる商売はそう多くないのではないかと、自分ながらサラリーマンが羨ましくなったこともありました。
凄い能力のある人と比べてください。大学の同期や近所に住む優秀な人で作家や音楽家になった人もいます。客観的に観て、特別な能力がある人でした。それでも、その分野での収入のみで食っていくのは大変と聞いています。これに比べて、収入の点だけを考えると、上記に記載のサラリーマンは楽です。
だから、会社に感謝すべきとまで言う筋合いはありませんが、長年お世話になって自分を引き立ててくれた会社です。人生半ばの50才からの10年間をどう考えるかです。20数年仕事をしていれば、得意な分野は自ずと明確になっているはずです。まずは自分の得意な分野で如何に会社に貢献するかを考えても良いのではないでしょうか。その能力を駆使して、何か一つでも会社の資産となりうるものを築いていく努力をしては如何でしょうか。意外な展開で、本人に大きなチャンスが巡ってきて、更に豊かな人生が送れることになるかもしれません。
人材の育成
この数週間、海外で遊んだり、その後すぐ出雲の田舎に帰り畑仕事を手伝ったりと忙しかったので、原稿が間に合わず先週は休稿としました。連絡が遅くなり申し訳ありませんでした。
本日は人材の育成について述べさせていただきます。
つい先日も、ある会社の社長から人材の育成につての悩みを聞きました。何処の会社でも人材の育成は、企業の中・長期的な成長にとって一番重要な課題の一つです。この資源なくして会社の成長は望めないからです。
部下育成は上司の責任
私の経営体験から言えば、育成には経営者や上司の責任が大です。
極論すれば、部下が育っていないのは、経営者も含めた上司に部下を育てる意思が不足しているか、その意思があっても現実に育てることを実践していないからだと考えます。
私の場合、上司自身の分身を何人育てたかをポイントにして、これを評価の物差しの一つにしていました。逆に言えば、分身が育ってからでないとその人の昇進をためらうことが多くありました。
この方法を取る限り、ある人の昇進に伴う混乱を回避でき、組織に継続性が保たれるメリットがありました。地道な努力が必要とされます。出来合いの人間を他社から採用しあるポジションに据えて、その任務が終わったらポイッと捨てるような経営のやり方が最近一部で見られるようになりましたが、個人的には大きな違和感を持ちます。
上司が伝承する
どう部下を育てるかです。
基本的に、人材教育は価値観の伝承だと考えます。その会社にとって最も重視したい価値観が何かを経営層が決め、それを全社員が順守すべきこととして実践し、伝承しなければなりません。
私の場合、この価値観に「クオリティー」を置きました。その内容は今回省きますが、全社員が一番大事にすべきこと、また、部下に「クオリティーの視点でのサービスの見方、物の考え方」を「何故それが大切か」というところから現場でキチッと教え、伝承することにしていました。「見える化」のために、絵入りの小冊子にもして伝承に役立てました。
この価値観に一切のブレを生じさせず、約18年間経営の軸を守ってきました。人材の育成とは、このような価値観の伝承スピードではないかと、最近つくづく思います。単なるハウツーでなく、視点、何故かなどの本質的なところの価値観を次の人に深く伝承していくことだと確信しています。
伝承できる力を評価
従って、人事の評価に関しても、コンセプチュアルスキル(課題設定能力)、ミッションの実践力など以外に、当然のことながら、「XXナイズド・スキル」と称して、会社が目指す価値観の伝承を通じて部下の育成にどれだけ努力したかを入れ、上位に上がるに従ってこの比率を大きくしていました。どんなに優秀でも、このスキルが欠落した人には多くの部下をもつポジションは与えませんでした。
このことは、部下に率先垂範、「俺の背中を見てろ!」と言えるくらい人の信頼関係をつくるのにも役に立つものでした。また、最強の現場力をつくるのにも役立ちました。これからのビジネスリーダーは、このような見方や考え方を持った分身たる社員を何名育成できるかではないでしょうか。
皆様の参考になれば幸いです。
戦略というストーリー(物語)の描き方
私は『これからの社長の仕事』(2012年、ネットスクール出版)の中で「農耕型企業風土」づくりの「18の定石」についてふれました。これらの定石を踏むことで、目指す企業風土づくりをより早く実現させ企業の成長を早めるためです。
この定石の13番目に、「仕事にストーリー(物語)性をもたせ、常にイノベション・マインドをつくる」ことを述べています。経営という仕事にストーリー(物語)、しかもイノベーティブなストーリー(物語)を描くことの重要性を述べた部分です。ある会社の経営を託されていた時、経営戦略策定の仕事で実際にこの定石を適応し成果をあげた実績をもとに述べたものです。
「定石13」を強調した背景は、現状の延長線上で未来を予測して戦略を練り、結果として失敗された経営者を沢山見てきたこと、更に、「定石13」のステップを踏まない経営戦略を策定したら、私自身も競合に負けて失敗し社員が路頭に迷う確率が高いと踏んでいたからです。
未来を同一線上に予測するのでなく変化や革新を自ら想像し、想像したことをまずキチッと物語として描いて、それにマッチした戦略を策定・展開するのが成功のカギではないかと思っていました。想像し洞察したことの全容を経営戦略として明快にストーリー(物語)として描き、戦術として計画的に遂行することが成功の近道だと感じていました。
ストーリー(物語)にするまでの考え方を現時点で整理してみると、私の場合、次のようなステップを踏んでいたことが分かります。これを、通常、無意識にやっていることもあります。しかし、再度、意識して皆様も確認してみてはいかがでしょうか。私の経験が参考になれば幸いです。
1.まず、課題をつまびらかにし、重点的に取り組む課題を設定しました。
もちろん、業種や、事業の発展段階で課題に違いがあります。
ある会社では、顧客が偏りすぎている、エンドの顧客が見えていない、世の中の新メディアや技術に対応しきれていない、人材の育成ができていない、革新した新しい収益モデルが見つからないなど、いろいろな課題があるかもしれません。
私が経営責任を負った頃のその会社は、難問山済みでありながら課題がつまびらかにされておらず、整理しきれていない状態でした。そんな中でも私は、重点的に取り組むべき課題を設定しました。今流に言えば、新しい収益モデルを見つけることに設定したのです。既存のモデルを継続していったのでは、社員を含めて全員が努力したなりの成果が期待できないと読んだからです。
2.事業展開に必要な事実情報の収集に努めました。
当時、自ら関係していた会社の事業を取り巻く環境の中で、世の中で発生している政治、経済、社会などの事実情報からトレンドを推量する策を講じました。あくまで推量で、最善の情報から将来の事業環境を想像する域を超えるものではありませんでした。
しかし、それでも幸いなことに、他の競合会社も新しい収益モデルを見つけるまでには至っていないと、私には映りました。ほとんどの会社が、旧態依然としたモデルの延長線上でしか将来を予測していないと、私は観たのです。「これならこの分野での新参者の私でも勝負できる」と、確信めいたものが心に湧いたことを記憶しています。
3.事業の先行きを支配していそうなドライビングフォース(原動力)を見つける努力をしました。
1987年頃は、消費者の嗜好・行動パターンの変化と技術革新などが会社の成長に大きな影響を及ぼす現象が出てきて、消費者の要求が高度化してきていました。個別対応(One-to-one対応)のサービスを実現できそうな技術革新の波も、我々の事業分野にも近づいてきていました。
このことを背景に、常日頃重要と考えていた個別対応のコンセプトの具体化が技術革新の恩恵の取り込みなどで可能ではないかと読んだのです。これらのドライビングフォース(原動力)が新しい収益モデルと課題解決へつながるのではないかと認識したのです。
4.将来を左右する「分岐点」の要因を見つける努力をしました。
皆で議論すると、上記3.で述べたドライビングフォースは大小、強弱合わせて沢山出てきました。しかし、欲張って作戦が散漫にならないように、挙がったドライビングフォースの中から最重要な少数に限定したのです。
一つは、クォリティーの再定義に基づくサービスの個別対応、もう一つは、サービス商品のコモディティー化を回避しながら、サービス分野に工場的生産方法を導入することでした。本コラムの性格上詳細は省きますが、この二軸の作戦を会社発展の「分岐点」と見做して、一生懸命に戦略という物語を描くことに取り組みました。
5.成功するストーリー(物語)を描く段階に入りました。
いわゆる戦略と言われるものですが、私の場合、これを「中期計画」と称していました。
上記の二軸を縦横にとり、それをもとにしてマトリックスの中で長短を考え、強さを更に強化する策を練ったのです。今見直してみても、広い分野で将来を真剣に予測して物語を描いています。戦略ですので、いろいろな項目をめぐらしていましたが、あくまで経営戦略の重点は二軸に於いていました。
6.二軸を中心とした戦略を戦術展開におろしていきました。
各年度の計画の中で戦術を展開する時、次のことに留意したのです。具体的なイメージが全社員に湧き、自分がその実行の主役なのだとおもえるストーリー化を出来る限り目指すことでした。
描いていく最中に気づいたのは、短期の計画なので、二軸の戦略を上手く肉付けしないと、総論倒れに終わってしまうリスクでした。さらに短期の計画内容に肉付けすることが、二軸の戦略自体が本当に重点課題を解決するものになるかのチェック機能にもなることでした。
すなわち、上記の1~6がストーリー(物語)全体として矛盾なく遂行できるものかが、戦術展開に具体的におろして初めて本当に明確になったことです。
今、経営に携わっておられる方々は、上記のステップを参考にして、是非自社の将来の全体像たる絵を再度描きなおしてみてはいかがでしょうか。この時、私が述べた思考のステップが、参考になれば幸いです。
いろいろな分野で成熟段階に来たとの言葉をよく聞きます。しかし、自社の事業周辺の将来を洞察して競合会社とは違った二軸の置き直し方ができるか否かで、新参者にも入り込める余地が十分ありすぎるほど、実は成熟していないのではないでしょうか?
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