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折々の言葉 / 遊び心

忘れがたい歌(2)

Posted on 2013-12-12

私にとって「忘れがたい歌」の続きです。

 

「旅の終わりに」

三つ目が、「旅の終わり」です。

 冠二郎が歌っていますが、ある会社の経営を引き受け、その立て直しや戦略立案で悩みに悩んでいた頃知った曲です。私の慰労のために、ある会社の役員が私を飲みに誘ってくれました。私は自分で歌うのはからしきダメな方ですが、他人の歌を聴くのは大好きです。その役員が選んだ曲がこれでした。この曲が彼のカラオケの定番だったのです。

 彼の歌う歌詞がカラオケ本のものと全く違い、胸にズキンと響くその歌詞が忘れがたいものでした。聞けば、その歌詞は戦争中にアジアの各地を転戦して戦った日本の兵隊が夜ともなると故国や故郷をしのんで歌ったものだとか。

 私には経営再建の苦境の中、自分のことを歌っている曲に聞こえました。歌詞をメモしていただき今日もすべて記憶しているほど、「流れ流れて、落ち行く先は、北はシベリヤ、南はジャワと、何処の土地を墓所と定め、何処の土地の土と還らん」とその歌詞に感銘を受けました。

 この会社で社員のために自分の命を捧げる、という心境と覚悟を鮮明にしたのがこの頃です。好きな歌詞です。この歌も私の人生のなかでひとつの転機だったかもしれません。

 

歌ではないのですが、忘れられない曲があります。

「1812 Overture」

 『これからの課長の仕事』(ネットスクール出版)で記載のとおり、メンデルスゾーンの「讃歌」や「スコットランド」も私の好きな曲と紹介しましたが、ここでは想い出深い曲を挙げます。

 「1812 Overture」です。チャイコフスキーの曲で、私がAFS生としてアメリカの高校に留学した時、ホストファミリーからクリスマスプレゼントとしていただいた一つがこのSPレコードで、今でも大切に保存しています。

 『祝典序曲』ともいわれ、1812年ナポレオン率いるフランスはじめ同盟軍がチャイコフスキー自身の祖国ロシアを侵略、いわゆるナポレオンのロシア大遠征の情景をロシア側にたって描いたとされる歴史的序曲です。曲全体の流れの優雅さと大砲の音なども交え、なんとも言えない力強さがいろんな楽器で鮮やかに表現されているように感じます。この遠征でナポレオンは初めて大敗北、さらにその翌年の1813年にドイツのライプチヒでヨーロッパ同盟軍に敗北し、数年後にナポレオンが島流しになるターニングポイントの戦いです。「Overture」としたのはそれが理由だと思います。

 この曲に出会ったのは16歳のころでした。異国で日本を代表するとの自負をもっていた自分と、恐れ多くもこの大作曲家の祖国ロシアを思う心情とをダブらせて考えていたかもしれません。日本人がほとんどいなかったこの地域で、当時の私の心の支えになった曲ともいえます。

 

「パリは燃えているか」

もう一つは、加古隆氏が作曲した「パリは燃えているか」です。

 この曲は、私が経営を託された会社が、店頭公開を終え上場の準備をしていた頃、社内で作ったDVD(冒頭に紹介)の中の曲です。社員全員が「燃える集団」となり会社が大躍進を果たしていた頃に作ったものです。役員の齋藤君が会社の過去の歴史をまとめつつ社員の士気を鼓舞するために、いろいろな曲や映像をアレンジして造ったDVDの中にある曲の一つです。

 さすが、ピアノの詩人と言われた加古氏の曲です。彼の作品の中で「黄昏のワルツ」も好きな曲の一つですが、この曲はなんとも想像力を喚起する曲で、す。私自身この曲を聞くと今でもこの頃の大躍進を引っ張ってくれた社員の顔、「燃える集団」を思い起こします。

 皆さんにも「忘れがたい歌や曲」があると思いますが、本日は私の「閑話休題」として以上挙げさせていただきました。

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