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折々の言葉

「リーダーとしてのマインド」(2)

Posted on 2013-05-02

 前回の続きです。

 ここで私が目指す「リーダー人材」になるには具体的にどういうマインドを持ったら良いのでしょうか。

4.協業のマインド

 協業の発想を重視しています。取引先とともに成長する視点です。そういう取引先を選ばねばなりません。

 買う側と売る側の交渉で気を付けねばならないことがあります。

 仕入側の立場も購入側が尊重しなければ、長い付き合いはできなくなります。急場で助けてもらえなくなるからです。

 私が言う「三方一両得」の発想で、皆がそれ相応に利益の分配、最悪は、損失の分配にあずかる発想です。

5.長所を見るマインド

 さらに、上に立つ人は、部下の長所を見る癖を持つことです。

 人間誰でも自分本位で発想しやすいものです。

 どうしても「自分はしっかり仕事をしている」のに、「部下が仕事をしないので」計画が未達だと、部下を責めやすくなるものです。

 はたして、この発想で皆が得をする展開になるかです。

 部下の短所のみ見るとその部下に安心して仕事を任せられなくなります。いつも心配することになります。

 部下も思い切り仕事にエネルギーを投入できません。いつ怒られるかわからないので戦々恐々安心できないので、仕事の効率など上がりません。

 この結果は最終的にはその上司に帰ってきます。あたかも「ブーメラン」のようです。この場合、上司も部下も会社も誰も得をしていない「三方一両損」の最悪のパターンとなります。

6.「一人結果責任」のマインド

 結果はリーダー一人の責任になります。

 リーダーが「自分は一生懸命仕事をしているのに、部下が・・・」の発想では、ほとんど例外なく、事業の運営サイクルは負のスパイラルにはいります。

 こうならないためには、その責任者が、結果は自分一人の責任であるとの基本的認識を持つことが重要なのです。

 先ほど述べた通り、部下の長所をどう褒めるかの発想に切り替えることです。たまには、部下を本気で怒らなければならないことがありますが、そこにかける比率をうんと低くすることです。

7.戦略を「思考する」マインド

 私は、「考える」、一人で考えることを非常に大事にしています。

 「わくわく元気会」の勉強会でも、ことあるごとにこのことを言っています。

 「農耕型企業風土」づくりのキーとして、個人が自立してこそチームプレーをレベルアップできることを強調している項があります。「最初に、適切に、仕事をする」を個々人で考えることの事例です。真剣に何をどうしたら全体の目的を達成することにつながるのかをチームの一人として真剣に考えることです。

 これを慶応義塾の創設者、福沢諭吉先生は「独立自尊」と表現されたかもしれません。「一身独立して、一国独立す」とも言われています。横並び的発想や群れることを排して、自立を促しています。

 一人でじっくり考えることで人間成長するのではないでしょうか。

 一人だからじっくり考えるとも言えますが、考えて、考えて人間ははじめて独り立ちすると思います。

8.事業展開の中での「仕掛け」のマインド

 中・長期的に成長・発展する会社には、「仕掛け」、「仕組み」があります。

 このことを「これからの課長の仕事」と「これからの社長の仕事」で書きました。

 しかも、「人間臭い」仕掛け、仕組が今必要です。なぜなら、「乾ききった人間関係」に飽き飽きし、もっと「湿り気のある関係」に皆が重要性と魅力を感じているからです。

 入社3年目の社員をしっかりフォローするために、新人を「里子」とみなして「里親」を、また2年目の社員に、「里兄、里姉」の役目を与えるバーチャル家族の共同体を会社の中に作った社長もいます。

 事業承認を失くした例もあります。スタッフの才能、思いを最大限引き出すため、承認などの手続きを省略してまず取り掛からせるためです。

 わたしは、収穫祭を兼ねたイベントを重要な「仕掛け」の一つとしていました。役員が社員、家族や取引先をイベントに招待して、徹底的に楽しんでもらう仕掛けです。

 集まる人々の醸し出す雰囲気や人間集団の出会いを通じて、会社との一体感を醸成するのに役立ちました。

 また、週間報告書などでの対話や自筆のコメントを書く仕掛けも「人間臭さ」の実践でしたが、詳細はほかの項に譲ります。

9.社員の発想を柔軟にするマインド

 企業には飽くなき知の探究と知の深化が要求されます。

 知の探究のために、常に新しいことに取り組まなければなりません。即ち、幅です。

 知の深化のためには、自社の得意とするところを深堀しなければなりません。これまた、新しいことに触手を伸ばすことに関係します。

 このためにはいろいろな方法があると思います。

 一つの例として、米国の3Mで採用をしているといわれる方法は、一定の自分の業務時間に日頃アサインされた業務以外に使ってもよいというものです。その時間を新しいことを開発するアイデア醸成のために全社員が使うとすれば、どれだけ新機軸につながっているか想像してみてください。

 この事例のように新しいことに触手を伸ばさなければならない危機感を共有し全員を巻き込み、アイデアを出してもらい、それに本気で取り組む仕掛けを成功させるには、企業文化が関係するのでないでしょうか。それを醸成しようとするリーダーとしてのマインドが試されます。

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