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コミュニケーション / 折々の言葉

ソーシャルメディアの使い方

Posted on 2013-09-19

 情報の流通は社内外ともブロックできにくい状況にあるのが現実です。このことを背景にすると、社員のソーシャルメデイアの活用についても今後様々なことを考えざるを得ないと思います。社員が外に向かって発信する内容についてのガイドとなるある程度の基準を作ることは一つの解決策として、ほとんどの企業がルールは作っているはずです。

 

発信情報の歪みの原因

 しかし、社員が発信する内容は根本的には社員が会社からどういう扱いを受けているのかと連動します。社員が会社の方針に反対であってもその意見を正当に主張できる「場」さえあれば、彼らが外に向かって情報を歪めて発信することはあまり無いのではないかと思います。この「場」と環境さえあれば、甘えの部分がいつかは反省されるはずです。

 ソーシャルメディアの活用で最近思い当るところがあります。私の友人の例からのヒントです。発信人が歪んだ形で情報を発信した場合の対応をどうするかでした。そのサイトの場で議論を展開するより、ホットな状態が過ぎ去るのを暫く待つ方が得策です。ホットになっている状態では、どんなに建設的な意見でも相手に素直に伝わりません。曲解されて受け取られ、かえってややこしくなります。よほどの悪意に満ちたものでない限り、個人の意見を外に向かって発信する自由を妨害することの方がかえって問題を大きくするものです。「我慢一筋だった」と友人が話していたのを記憶しています。

 

コミュニケーションと肌合い

 ところで、最近思い当たることがあります。

 これまで、マーケット全体に大きな影響を及ぼしそうな人、いわゆるインフルエンサーを発掘してその力を有効に使うことに力点をおいていたことが自分の経験でもありました。このやり方が今もある程度有効とは思います。

 ところがFacebookの活用などを体験してみると、書き込みや「いいね」の私への反応は、私との精神的な肌合いの近さが大きな影響を及ぼしているのではないかと思うようになりました。この人達は一気に大きなグループにはなりませんが、肌合いのある親しい友達の小さい、しかし、確実なグループになり、その影響力に注視すべきではないかと考えるにいたりました。こういう視点で私も発信情報のコンテンツを書いています。

 そのような人の数を一度数えてみてください。グループは小さい集団です。私の場合、コミュニケーションする相手の数は多い時で70人。だいたい30~50人以内です。この中で頻繁にコミュニケーションする相手は20人以内です。

 冒頭に述べたように私をインフルエンサーとみなして、何か特別な意図を持って私に間接的要求をしていると思われる人もいます。私は相手に押し付けるような方法はSNSの世界でも好まれないと思いますので、間接的にそのような依頼があっても私は応じることはありません。そんなことをするとむしろ妨害的になります。 SNSへの書き込みも同一な肌合いの人々との社会的な「絆」を深めるためと考えていますので、一方的に自分の考え方や主張を押し付けるようなことはしていません。

 コミュニケーションの相手が「園山征夫のビジネスコラム」での主張のコンテンツをシェアしてもらう以上に、そこから発展する仲間の会話を楽しむぐらいに軽く考えてこのコラムを続けています。押し付けがましい内容ではなく、いろいろな人に役立ちそうな情報を提供して共有してもらうという姿勢でやっています。過去の経営経験から参加者に関係ありそうな情報と思える内容を提供したり、内容に共感する人々の会話のやり取りを助けたりしています。

 私の経験では、「いいね」のクチコミが広がるコンテンツは、グループにとって有益な情報ではなさそうです。参加者の感情のどこかを刺激するものです。この視点を忘れて、自分で勝手に有益と考えて発信した情報は意外にシェアされない経験があるのは感情の部分への頓着を忘れているからではないかと思うことがあります。

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